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プロローグその他

まずはプロローグ

 

 

 20XX年、日本各地で「蟲」なる生物が耐久卵から一斉に孵化した。「蟲」たちは人間にその存在を気取られることなく分布を拡大し、突如として人類に牙をむく。人間を貪り急速にその数を増やしていく様は瞬く間に全世界へ知れ渡り、未知の生物の出現に震えあがった周辺各国は日本との一切の人的移動と貿易を停止した。日本はやがて、大陸国家も恐れる極東のガラパゴスと化す。しかし、そんな死にゆく日本を目の当たりにしながらも人々は逞しく生きていった。一方では要塞都市を築き上げ、また一方では廃街に集落を立ち上げた。先の見えない情勢の中、人々は「蟲」という共通の敵、災害を前に結束を深めていった。

 

廃街と都市を結ぶ闇の交易路で従業するナギもまた、廃街で今日を暮らす一人の女性である。今は亡き父親の跡継ぎとして集落の人々を支え続けていた。ある日、ナギは廃街で瀕死の女性、ケイを保護する。裏社会に生きるナギや集落の人々は都市の人間であるケイを避け、警戒していたが、ケイの明るさにすぐに打ち解けていった。

ケイを都市へ送り帰す日、彼女はナギとある喫茶店で落ち合うことを約束する。ケイはナギ達の境遇を何とかしたい一心で次々と行動を起こし、兄・ゲンジを始めとした周囲の人々を巻き込んでいく。そして、何事もなく終わるはずだった二人の再開は社会の歪みを突き崩す引き金となってしまう。蟲、要塞都市、廃街、大陸国家、それぞれの生命が絡み合い、欲望が交錯する日本という舞台の中で人々が見るものとは。そして受け継がれる魂がナギにもたらす運命とは…

 

 物語の冒頭ということでも少しすっきりさせたかったんですが。あと「20XX年」とか古典的な表現を使いたいせいで変な文章になっている気がしないでもない。終わり方なんぞ。もう少し引き込めるような終わり方にしたい。

因みに、このプロローグではエヒメとかは一切触れてません。だから前回の記事でネタバレと書きました。

 

ここから別の話。

蟲とは前回触れた通り、現実世界の昆虫とは違ったよくわからない巨大生物です。じゃあ何がどうなってよくわからないのか、分からないところをわかりましょう。端的に言うと蟲は妖怪みたいなもんです。人間の理解が決して及ばぬような何かを持っている超高等生物です。ドラキュラとか、何で血を吸って生き延びるのか。神話的な説明がされていても人間がそれを科学的に、物理的に理解したわけではないように、蟲が殖えて人間を喰う原理?というようなものはフワッとしています。しかし考えてみれば生き物ってフワッとしてませんか。誰しもが自他との境界線とか考えるかと思います。二つの砂山について考察すると思います。ウイルスと細胞の違いに触れると思います。臓器提供と脳死について学ぶと思います。本川達雄著「生物多様性」という本にこんなことが詳しく書いており、これを読んだ僕は何か突き上げるような衝動に駆られました。新興宗教的なあれではないです。しかし生物並びに人間について考えるとなるとこういう話は避けて通れない。話を戻して、じゃあ生物の最小単位である細胞から考えていきましょうか。

万物の根源とか天地創造とかその辺は興味ありますが話がややこしくなるので僕の妄想話だけで進めます。

生き物の始まりを考えることは生き物の原理を考えることに近いと思ってます。生命が誕生する条件を揃えた環境の中で膨大な試行を重ね、有機物の化学反応が連鎖しては消え、やがてその連鎖を途絶えさせないような機構を持った細胞のプロトタイプともいえる存在が一定割合で出現する。更にその中の一つがより強力な方法で自己保存することを可能にした。連鎖を「遺す」、他の消滅していったプロセスとは一線を画すもの、それが更なる試行を重ねてより遺る手段が強力なものが出現した結果、適応や複製などの抜け道を見つけ出し、その数を増やしたり多様性を高めていった。そこから我々の知る生命の軌跡を経て今もその連鎖を途絶えさせることはない。ここまで書いておいてなんですけど生命誕生の瞬間なんてのは割とどうでもよくて、我々は細胞であり、細胞とは連鎖を繋ぎとめ遺すものであり、というのが重要なんじゃないかななんて思います。「連鎖を繋ぐ原理」を仮に魂と呼ぶならば生きとし生けるもの全ては同じ魂を持ち一つの家族だなんて言い方もできます。では魂がそれならば人間の脳に渦巻くものは魂ではないのか。人間の思考感情記憶は「上位の魂」ではないでしょうか。種として高等とかそんな話ではなく、元素があり有機物があってそれらが魂を成すように、魂があって成されるもう一つ上の階層の魂、というイメージです。そして蟲とは、人間含めた現存生物が在る階層からもう一つ上以上の階層に在る超高等生物ってことです。蟲は人間が理解できないような異常な原理をもって現世に干渉します。

・異常な再生力を持ち、肉体を瞬時に変化させ質量すら変え得る。

・取り込んだ生命を組み込み異常な速さで進化する。

・個体間の、それも物理的に遠く離れた個体間での神経通信を可能とする。

宇宙のその先とか答えがあるのかないのか、終わりがあるのかないのかすら分からない領域、巨大な原理を暫定的な「神」とすればこの蟲という生き物は「より近しいもの」ですね。だから妖怪なんです。

当たり前のことを少し遠回りして考えましたが、僕の持つ蟲へのイメージを少しでもお伝えすることが出来たなら幸いです。

 

誤字とか見つけ次第ガンガン更新します。